2018年6月3日 第8回総会と勉強会を開催しました
講演・社会啓発
2018.06.03
今年の勉強会は、経験者本人や家族からよく聞く「易疲労(疲れやすさ)」について、伊勢原協同病院小児科診療部長 石黒寛之先生をお招きして「小児がん経験者と易疲労感~晩期内分泌合併症を中心として」という題で講演をしていただきました。
小児がん治療後の合併症では内分泌合併症は大変頻度が高く、生涯にわたって心身に大きな影響を及ぼします。石黒先生のお話では、分泌されるホルモンは50メートルプールの中に角砂糖1個を入れたほどのほんのわずかな量で体中の臓器や心までも調節しているのだそうです。そのホルモンが働いて体調を維持するためには、夜は良く寝て、バランスの良い食事をとるという基本的な生活が大切なのだと改めて感じました。
2つめの講演は、ホルモン治療でみるみるうちに元気を取り戻し、現在は仕事のほかに患者会の活動やマラソンまでもするようになった宮城順さんに「私の小児がんと社会的自立」という題でお話ししていただきました。
今のような体力を身につけるまでにはとても長い年月がかかったとのことで、経験者だけでなく家族にとっても心強いお話でした。「病気を受け入れたことで、仲間がふえた」という宮城さんの言葉も心に残りました。
この講演内容は、来年の会報誌に掲載されますのでご覧ください。
そして、来年も6月第1日曜日に治療後のよりよい生活を送るための勉強会を開催する予定です。ぜひご来場ください。
次に、勉強会に参加しました小児がん経験者込山雅人さんの感想を掲載します。(文責 中島)
石黒先生の講演では、易労感という抽象的なテーマについてホルモンとの関係を中心にお話いただきましたが、とても簡潔で、わかりやすく説明いただき、大変勉強になりました。自分のホルモン分泌についても再度確認してみようと思いました。
宮城さんの講演では、自身の闘病経験や治療後の就労で苦労されたこと、良かったことを話されておりましたが、家族や社会の理解、経験者同士の経験談の共有の重要性を改めて感じました。
ミルフィーユ理事長 井上さんにお誘いいただいて参加させていただきましたが、とても充実した時間を過ごさせていただきました。
ありがとうございました。