6月11日親の会連絡会・講演会「小児・思春期がん患者の移行期を考える」
患者家族への支援
2023.06.13
がんの子どもを守る会が主催する小児がん親の会連絡会への出席と、移行期支援についての講演を聴講してきました。
小児がん患者が成人医療に移行するときはさまざまな問題が出てきます。移行期に困らないためには何を準備し、問題を解決していくためにどうしたらよいかを学ぶことはとても大切です。
治療を乗り越えた経験者として感じたことをレポートしてくださいましたので、ぜひ、お読みください。
第26回親の会連絡会に出席しました。
オンラインと対面を組み合わせたハイブリット開催で、全国から25団体が集まり、7グループにわかれてテーマに沿った意見交換を行いました。
コロナ禍によって環境や社会の変化が加速しましたが、その中でそれぞれの会の活動を持続させる工夫、活動を多くの人に知ってもらい会員を増やす方法、世代交代などについて
話し合いました。やはり現代の社会では、ウェブサイトやソーシャルメディアの活用によるオンライン上での存在感を高めることで認知度を向上させることができるという意見が多かったです。会員を増やす方法や世代交代の課題については、経験者本人が活動に参加しやすい環境を整えるなどの意見がありました。
私は小児がん経験者ですが、13歳から20歳までの間入退院を繰り返したこともあり、小児がん経験者としての自分を受け入れることは難しくはありませんでしたが、小児がん経験者として自分を表現することについては全く自信がありません。今回たまたま同じグループになったほかの団体の方が、娘さんと同じ病気の経験者と話してみたかったということで、まさに私がその経験者でした。自分が過ごしてきた時間が他の人に対して貴重な経験や知識をもっているということに改めて考えさせられました。
講演会では、小児から成人への移行期医療について学びました。講師の東京都移行期医療支援センターの青木裕美先生と千葉大学医学部附属病院の日野もえ子先生のお話で専門知識を得ることができました。元気に力強くユーモアたっぷりの講演で移行期医療について学ぶことができました。これまでも何度か学ぶ機会がありましたが、私が現在2次がん真っ最中ということもあり、再確認することで前向きになれました。
2次がんになるとセルフアドボカシーの能力を持つことが大事だと思い知らされる場面があります。セルフアドボカシーは自分自身の権利やニーズを理解し、それを主張する能力です。自信がなくても、命をつなげるために小児がん経験者として自分を表現して参加しなくてはなりません。
ほかにも、小児医療のドクターと成人医療のドクターは、基本的には別々の領域で活動されていますが、特定の状況や疾患においては連携し合うこともあります。両チームが連携するためにも患者側もその違いやかかわり方について知っておくことは大事だと思います。オープンなコミュニケーションを通じて理解や協力を得るために必要なことです。
分科会は移行期と小児がん経験者の会に参加しました。
移行期を迎えた小児がん経験者自身が工夫していることや感じていること、戸惑ったことなどを共有して考える場です。講演に続き青木先生、日野先生が助言者として参加してくださいました。
小児がん経験者として、サポートや助言ができなくとも、経験者同士が一緒に悩みながらお互いの人生を語ることで自身の成長を追求できるように思いました。 (文責 中村)