2015年6月7日(日) 総会・講演会
講演・社会啓発
2015.06.07
今年は千葉県こども病院の沖本由理先生が退職なされましたので、記念講演としてまず沖本先生にお話ししていただきました。
今年度の総会と講演会(勉強会)を開きました。
今年は千葉県こども病院の沖本由理先生が退職なされましたので、記念講演としてまず沖本先生にお話ししていただきました。まだ病気が治らなかったころから、何とかして子どもたちの命を救おうと、そして治癒率が上がり始めた後は、更なる治癒率向上を目指しながら、治った後の子どもたちの生活の質も上げようと、入院時からいろいろなことに心を砕いてくださいました。こども病院を退職されたといっても、時々、外来にいらしてくださってますし、これから先もミルフィーユの副理事長としても、活躍してくださり、長期フォローアップシステムの構築にも情熱を傾けてくださっておられます。
今回の講演会は“晩期合併症”に焦点を当てました。
沖本先生からは全般的なお話をいただきました。そして成田日赤の医師で、現在、日医大大学院で更なる研究を継続されておられる、小児がん経験者で小児血液腫瘍の医師の寺田和樹先生が、患者として、医師として両方の立場からのお話、そして最後は千葉県がんセンター整形外科部長の米本司先生が、骨肉腫の小児がん経験者に関する興味深いデーターと共にお話をしてくださいました。骨肉腫は一般に10歳代の子どもたちに発症し小児医療の領域から外れることもあり、千葉県では千葉県がんセンターで治療することが多いようです。発症数もあまり多くないため、小児がんの仲間であっても、私たちにはあまりなじみがありませんが、治療終了後に生じるかもしれない問題の多くが、ほかのがんの場合と共通することを知りました。3人の医師の方々による、それぞれのお立場から、少しずつ角度が異なる視線で「晩期合併症」に関する講演をいただき、とても良い時間が過ごせたと会場からもたくさんの声をいただきました。
そして夕方からは場所を変え、「沖本先生を囲む会」を開きました。これには会員だけでなく、沖本先生に治療していただいた小児がん経験者やそのご家族が、大勢集まり、まるで同窓会のようになりました。1家族、たった2分で申し訳なかったのですが、先生と個別にお話する機会を設けました。皆さん、カーネーション1本とハートの形をしたメッセージ ( ちらっと見えましたがぎっしりメッセージが書かれてましたよ ) をそれぞれ手に持ち、先生にお渡ししました。自分たちのために懸命に治療し治してくださった沖本先生は、いわばもう一人のお母さんです。そこで母の日からは1か月ずれましたが、カーネーションを差し上げることにしたのです。そして最後はそれを花束にし、子どもたちが先生を囲み記念写真を撮りました。感動でした。大変な病気、辛い治療を乗り越え、笑顔で闘病仲間とおしゃべりを楽しんでいる小児がん経験者たち、頼もしく感じると同時に、彼らの幸せな将来を心から願いました。